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イベントレポート

IL DEVUコンサート~学生合唱団を迎えて~

音楽・文化

こども

【目的】

日本を代表するトップ音楽家で結成されたヴォーカルユニットIL DEVUと、市内学生合唱団が共演する機会とする。IL DEVUメンバーの指導により、プロから学んだ歌唱を習得してもらうことを通して、次世代を担う学生の皆さんの文化芸術育成につなげること、また、コロナ禍におけるリアルとバーチャルを融合させた公演内容を取り入れ、「ビデオの音」と「生の音」の共演という、新しい形での合唱のトライアルを成功させることを目的とする。

【取り組み内容】

・新型コロナウイルス感染拡大防止を鑑みて、共演校は聖セシリア女子中学高等学校の1校としました。ご参加いただく人数は12名で、コロナ禍に合わせて規模を縮小しました。当日舞台上での共演ではなく、コーラス部の演奏を事前収録した上で、そのビデオに合わせて当日IL DEVUが歌う形での共演として開催しました。

・事前に、IL DEVUメンバーでテノールの望月哲也さんによる歌唱指導を2回行いました。初回の練習では、日本語の発音のポイント、声の響かせ方のコツ、どんなイメージで声を出したらよいかなどについて、具体的な指導と実践が行われました。2回目の練習では発声練習も行い、イメージを思い浮かべながら、声を豊かに響かせることができました。

・9月末、IL DEVUメンバー河原忠之さんのピアノ演奏と学生の演奏で収録しました。収録前には、河原さんによる約1時間の指導をいただきました。普段、オペラ歌手の方と一緒に仕事をされている河原さんは、歌詞の持つ意味や、どんな気持ちで歌うか、などを情熱的かつわかりやすく説明をしてくれました。お2人からの指導を受けて、全員が一生懸命、心を一つにして練習をした後に挑んだ収録は、コーラス部の想いが詰まった感動的な演奏となりました。

・公演前日、IL DEVUもホールも初めての試みである、ビデオ共演のリハーサルを行ないました。聖セシリアコーラス部の音源を出すスピーカーの位置、ボリュームなどは、お客様に届ける音質はもちろん、IL DEVUの皆さんにもきちんと聴こえるようにするため、調整を入念に行いました。機械的な音と生音をいかに違和感なく融合させ、ホールの響きに生かすか、この非常に難しいバランス調整を、舞台音響スタッフを中心に綿密に行いました。

・IL DEVUの皆さんもご自身の声やメンバーの声がどう聴こえているか確認し、それに合わせて声のバランスを決めていきました。

・前日のリハーサル、当日の最終リハーサルを経て、収録したビデオに合わせてIL DEVUの皆さんが歌う「ビデオ共演」という初の試みを成功させることができました。

・共演したのは、「ほらね、」と「心の瞳」というメッセージ性の強い2曲。聖セシリア女子中学高等学校コーラス部の清らかな歌声と、IL DEVUの豊かな歌声が重なり合い、想いが詰まった感動的な演奏となりました。

【成果】

・学生がプロの音楽家から直接指導が受けられる機会を創出したことにより、学生たちからは意欲的な姿勢が見られ、歌唱力と表現力の向上といった成果として表すことができました。

・学生たちにとっては、自分たちの演奏を客席から見るという初めての体験でしたが、このような状況下にあっても、自分たちの表現が形になった姿を見ることで、文化芸術活動を続けていくことへの希望を持つことのできる機会となりました。

・この経験を通して、学生たちが歌うことの喜びを改めて感じ、プロの指導者からのアドバイスによって上達を実感し、もっと上手になりたいという意欲を持つことができたことにより、彼女たちのこれからの活動を後押しするきっかけを創出することができました。 ・加えて、コロナ禍の中で、リアルとバーチャルの融合による新しい形の企画を、創意工夫とアーティストとの協創により、生み出すことができました。

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