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イベントレポート

総合芸術としてのバレエ

学び

【目的】
 踊り手の動きを通して表現されるバレエは、美術、音楽など多くの要素が一体となりその華やかな舞台が作り上げられる。
大和市から世界へ向けて活躍するダンサーを多数送り出すバレエ団主宰者をはじめ、ダンスや舞台芸術分野において国内外の第一線で活躍する講師を迎え、総合芸術としてのバレエの魅力、そしてバレエの現在までを多角的に掘り下げ、観劇だけでは味わえないバレエの魅力への理解を深める。

【取り組み内容】
10/6から5回にわたって「健康都市大学 総合芸術としてのバレエ」講座が開催されました。
講師は、佐々木三夏バレエアカデミー主宰、大和シティーバレエプロデューサーの佐々木三夏さん、公財)井上バレエ団団員・教師の鶴見未穂子さん、ゲスト講師として舞台監督の斎藤尚美さん、元バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の山本康介さんをお迎えしました。

第1回は、「バレエとは~バレエの歴史」。バレエとは何か?そして15世紀から現代まで続くバレエの歴史とその時代背景を貴重な映像とともに学びました。

第2回は「バレエの動きの基礎~音と動き」です。脚と腕のポジション、体の方向、ポーズの組み合わせなどには基本的な動きや決まりごとがあり、これを知ることで更にバレエが楽しめるものになります。バレエを習う子どもたちは、身体の成長にあわせて動き、無理なくバレエの基礎を身につけていきます。ここでのみ公開されたレッスン風景は保護者であっても普段見ることのない貴重な映像です。こうしたレッスンを日々続けていくことが、素晴らしい舞台へと繋がっていくことがよくわかります。「続けることがバレエ」という佐々木先生の言葉に頷くばかりです。

第3回は「バレエの表現~ドラマとマイム」です。『無言の舞踊劇』といわれるバレエ。作品の中で、感情を伝え、ドラマが展開していく方法の1つとしてのマイムを『ラ・シルフィード』や『眠れる森の美女』の映像を見ながら、その基本の動作を実際に体を動かしながら学び、バレエについての理解を深めました。

第4回は「バレエは総合芸術~舞台の幕が開くまで」。ゲスト講師として舞台監督の斎藤尚美さんを迎え、まずは佐々木先生からバレエ団のプロデューサーとしてのお話の後、斎藤さんから舞台芸術について説明されました。舞台監督とは演出家の希望を具現化のため尽力すること、それを支える美術や照明について、また舞台機構についても豊富な写真を見ながらお話していただきました。

そして最終回は、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団でプリンシパル・ソリストを務め、現在は振付師、ローザンヌ国際バレエコンクールの解説者などとしても活躍する山本康介氏をお迎えし「現在のバレエ界とダンサー育成」について伺いました。
日本は世界一のバレエ人口を持ち、国際コンクールにも優秀な人材が挑戦している一方、バレエやダンサーの支援について理解が進んでおらず、諸外国に比べ文化への予算が少なく、公演チケット代の高騰へもつながっています。
山本さんは、自身の英国での活動を織り交ぜ日本の現状を分かりやすく説明して下さった他、総合演出・バレエマスターを務めた10月の吉田都さんの引退公演「Last Dance」についてなど、貴重なお話も飛び出し充実した時間となりました。

【成果】
バレエはひとりではできない、またバレエを通じて自己の形成も問われる、だからこその総合芸術であるということが、第一線で活躍される講師の真摯なお話から伝わったかと思います。
「バレエが大好きでその美しさに感動するばかりで、詳しい事は知らなかったので大変勉強になりました」「今までより深くバレエを観る楽しみが増え、幅が広がりました」「しなやかでしっかりした体幹がある身体。バレエにより、美しい体を作られていることが分かりました」など参加者からたくさんのお声をいただきました。
バレエをはじめ、文化は何のために必要なのでしょうか?
芸術とは、決して遠いものではなく、もっと身近に触れることができ、地域で支えるものであるべきことと考える機会にもなりました。ご参加の皆さま、ありがとうございました。

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